2016年6月13日月曜日

頓珍漢

新作「トン チン カカン」が今週末お目見えとなる。

振付けを作る→踊る。っていう気分ではないなと始まった今回のプロセス。これまでまさおか式では猪突猛進で踊りに臨んできましたが、押して駄目なら引いてみろと、今作では「踊らないで踊る」という頓珍漢なお題に挑戦することにしました。

自分の私的な疑問を作品化すること。悩みを打ち明けることではない。
何に惹かれるのか、何故惹かれるのか、それを作品にする価値はあるのか、公にする意味はあるのか、体現できているのか、魅力はあるか。考えたり考えなかったりしながら、最初に見えていた景色からは思いもよらなかった地平に来ています。創作にはただ思考するだけではなし得ない飛躍がいつもあって、自分の意思以外の何かで成り立っているところが豊かだと思います。

あと、声を大にして言いたい今回の私の収穫は、これまで耳にタコができる程に聞き学んできた至極オーソドックスな表現手法の数々や舞踏の思想がいかに普遍的であるか、どれだけパワフルであるかということを身をもって知れたことです。お前今更かよって頭をはたかれそうですが、それらの知恵を私に授けて下さった諸先輩方には感謝の念が絶えません。先人はすごいです。

「トン チン カカン」は芋虫の踊り。
地味で些細だが確かに胎動している。

2015年9月12日土曜日

チラシ刷り

 10月の公演に向けて色んな準備をしています。

割と一般的だと思いますが、私はいつも作品を作ろう!と思い立つと、まず人(出演者やスタッフ)を確保します。会場も抑えます。この時点で既に「逃げられないな。。。」とおののくのですが、さておき、ここまで決まるとチラシをどうしようか、と考えます。

見てもらえば分かるように、まさおか式のチラシは私が作っています。お金の無い若手にはありがちなことです。昨年の旗揚げでは写真のイメージがポンと出たのでそのまま撮ってもらったのですが、今回の「踊りが生まれる日」にはなかなかビジュアルのイメージが結びつきませんでした。(そもそも私はダンスを作る時にビジュアルが先行しないタイプです)ですが、文字のみのチラシはデザイン性が問われます。とても私のイラレ&フォトショ能力では追いつきません。「デザインの貧弱さは手作業の味でカバー!」という訳のわからない根性論で、今回は手摺チラシにすることにしました。

手で刷るといっても色々やり方はある、と知ったのは後のことで、最初から木版画一択しか頭に無かった私はとりあえずババッと裏面のみ印刷会社に入稿し、彫刻刀をゆうちゃん(今回の出演者)にお借りし、木板とバレンと絵の具を購入しに世界堂へ。小学校の頃の記憶は曖昧で、結局ネットで調べ直しましたがどれも5000枚刷る事を想定していないので色々と未知でした。結果道具諸々は全く問題ありませんでした。因みに板とバレン以外は全て百均で事足りました。(パレットはお惣菜のふた、水差しはモロゾフのコップ)

ただ、時間は思っていたより膨大にかかり、5000枚刷り終えたのはつい昨日です。一時間で100枚刷れるので単純計算して50時間。たかがチラシ、されどチラシ。お手に取られた際は絵の具のふくらみをご堪能ください。


乾かしているところ
作業机
刷りに刷って1ヶ月

2015年7月9日木曜日

新作

あれよあれよと7月になりました。
今年はのどかな気持ちで新作への準備を始めています。育むというより種を探すこの期間は期待と混乱で頭がパンパンになります。そんな時に1人で踊ってみると変に落ち着いたりしてやっぱり私はダンサー気質なのかなあ、とか思うのですが、踊り続けていると創作意欲は増すばかりです。自分に潜って考えを進めてそれを共有する欲です。

動物占いに「物事を深く考えることが苦手」という呪いをかけられている私は、思考をつきつめられないまま作業に入ってしまうことが多々あるので、今回はダンサーとの稽古の開始を遅らせて1人稽古を先に行っています。背水の陣ではありますが、必要な作業のように思えます。

作り始めた頃は一つ一つのクリエイションは全く違う部屋に入っていく感覚でしたが今は何作品も通じて続き間の襖を開けていくような気持ちです。奥の間にはまだ辿り着きそうもありませんが、今回もそっと新たな畳の匂いを嗅ぎにいくつもりです。

2015年1月1日木曜日

ありがとう、2014年。よろしくね、2015年。

明けましておめでとうございます。

昨年はお世話になりました。
ソロ「死して屍拾う者なし」に費やした1、2、3月。
LANDFES、ソロダンサで揉まれた4月。
ダンサーたちとひたすら稽古した5、6月。
いよいよ腹を括った旗揚げ公演は忘れもしない7月。
春の祭典づくしの8、9月。
ダンサーとして沢山の経験を積んだ10、11、12月。
欲張りな私の1年間に寛容にお付き合い下さった先輩方、仲間たちに深く感謝します。

さて、私は毎年「一年の計は元旦にあり、だよ!」と気合いを入れるのですが、何をすればいいのやら、どんな一年にしたいやら。挙句何をして過ごしたかなんて1週間後には忘れてしまう。そこで今日はバイトの後、水周りの大掃除をしました。普段拭かないところを拭き、ぬめりを取り、磨き、物を捨ててさっぱりです。年末に大掃除をして綺麗に新年を迎えるのも素敵ですが(間に合わなかった)元旦の日にテレビなぞに脇目もふらず(そもそもうちにテレビはない)一心不乱にタイル磨きというのもなかなかオツでした。

今年は何が何でも踊ります。
2015年も政岡由衣子並びにまさおか式をどうぞ宜しくお願い致します。


2015.1.13 (火)
『ダンスがみたい!新人シリーズ13』
19:30開演 前売・当日2,300円/学生2,000円
会場 日暮里d-倉庫
4組の自称”新人”アーティストが25分間の作品を発表します。
まさおか式は2014年春に初演し、賛否両論を巻き起こしたソロ「死して屍拾う者なし」を再演します。
詳細→ http://www.geocities.jp/azabubu/s13/
予約→ office.masaokashiki@gmail.com

2014年12月12日金曜日

年の瀬

デュ社「ふたつの太陽」が無事に終演し、自分の巣に帰ってきた心地です。

2週間後にはソロを発表します。
RAFT「年の瀬小景ス」は継続して行われている人気企画ですが、
まさおか式は今回が初の参加です。

年の瀬、終末。
こそっと過ごしたり、盛大に楽しんだり様々でしょうが、
昔江戸では貧乏人は命がけで年を越したとか。
というのも、当時ものの支払いはツケが主流で
その精算をするのが年末だったのだそうです。
溜めに溜めたツケを払いきった後、
薪代がなければ凍え死に、米代がなければ飢えて死ぬ。

ゆえに、瀬=急な流れ。

渓流下りのようだった2014年を締めくくるにふさわしい
ゴリっとしたのを一発、踊り納めたいと思っています。


2014.12.26 (金)
『年の瀬小景ス』
19:30開演 前売2,000円
会場 RAFT
詳細→ http://raftweb.info/showcase2014
予約→ office.masaokashiki@gmail.com

2014年11月24日月曜日

秋の終わりと冬の始まり

10月のペンダントイヴ、11月の春の祭典。どちらも無事に幕を降ろせました。
ありがとうございました。あまり多くは書きませんが、出演させて貰えて本当によかったと、かけがえのない経験になりました。

しかし!これだけで終わりません。この秋のしめくくり、向雲太郎さんのデュ社旗揚げ公演に出演させて頂きます。こちら、もはや共演者が豪華すぎて経験どころかただの1ファンの思い出づくりなんじゃないかってくらいですが、ホッと身を引き締めて臨みます。


デュ社『ふたつの太陽』
12月5日(金)19:30☆  
  6日(土)14:00/19:00☆
  7日(日)14:00
☆アフタートークあり
吉祥寺シアター
前売 3,200 当日 3,500
http://www.soulplaying.info/news.html


稽古に通う度に厚着になっていきます。冬。
冬はまさおか式としてソロを2本。
作品についてはまた後日書きたいと思います。
ご予約受付中です!

2014.12.26 (金)
『年の瀬小景ス』
19:30開演 前売2,000円
会場 RAFT
8組のアーティストがそれぞれ10分間のパフォーマンスを行います。
まさおか式は政岡由衣子のソロを上演予定です。
詳細→ http://raftweb.info/showcase2014
予約→ office.masaokashiki@gmail.com


2015.1.13 (火)
『ダンスがみたい!新人シリーズ13』
19:30開演 前売・当日2,300円/学生2,000円
会場 日暮里d-倉庫
4組の自称”新人”アーティストが25分間の作品を発表します。
まさおか式は2014年春に初演し、賛否両論を巻き起こしたソロ「死して屍拾う者なし」を改訂上演します。
詳細→ http://www.geocities.jp/azabubu/s13/
予約→ office.masaokashiki@gmail.com

2014年9月22日月曜日

目白押し

お久し振りです。
まさおか式『おどり良ければ全てよし』終演後のご挨拶もせぬまま、
ブログほっぽらかしでした。
旗揚げ公演、本当に沢山の方に観て頂けました(動員のべ163名!)
ご来場頂いた方、応援して下さった全ての方に感謝致します。

頂いた感想を読み返していると、自分のやったことじゃないように感じます。
作品はお客さんが仕上げるものだと常々思っていますが、
こんなに自分の手を離れた感覚は初めてです。
今回はスタッフさんもダンサーもみんなとっても頼りになる人ばかりで、
「任せた!」ってできたことも大きいのかな。



とにかくお客様に喜んで頂けてよかったのですが、やはり課題も目白押しです。
次回作に向けて頭の中が悶々としております。
この悶々期間に何か強い核が見つけられないとよい作品になれないので、必死の悶々です。
まさおか式の新作、短編ですが1月上旬に発表することになりそうです。
どうぞご期待ください。
(写真は「おどり良ければ全てよし」より 撮影:金子愛帆)


また、有り難くも政岡由衣子は出演予定目白押しの今年を過ごしております。


◯BATIK『ペンダントイヴ』
10月11日(土)19:30~、12日(日)16:00~
森下スタジオCスタジオ
前売 2,500円 当日 2,800円
http://batik.jp/news/


◯白神ももこ×毛利悠子×宮内康乃『春の祭典』
11月12日(水)19:30~
  13日(木)19:30~
  14日(金)19:30~
  15日(土)15:00~
  16日(日)15:00~
東京芸術劇場プレイハウス
前売 3,500円 当日 4,000円 その他券種あり
http://www.festival-tokyo.jp/14/program/the-rite-of-spring.html



12月、1月にもそれぞれ出演舞台があり、本当に有り難い限りです。
そちらも情報公開され次第お知らせ致します。

因みに目白押しの”めじろ”は鳥のメジロから来ているそうです。
山手線ではない。

政岡