2016年6月13日月曜日

頓珍漢

新作「トン チン カカン」が今週末お目見えとなる。

振付けを作る→踊る。っていう気分ではないなと始まった今回のプロセス。これまでまさおか式では猪突猛進で踊りに臨んできましたが、押して駄目なら引いてみろと、今作では「踊らないで踊る」という頓珍漢なお題に挑戦することにしました。

自分の私的な疑問を作品化すること。悩みを打ち明けることではない。
何に惹かれるのか、何故惹かれるのか、それを作品にする価値はあるのか、公にする意味はあるのか、体現できているのか、魅力はあるか。考えたり考えなかったりしながら、最初に見えていた景色からは思いもよらなかった地平に来ています。創作にはただ思考するだけではなし得ない飛躍がいつもあって、自分の意思以外の何かで成り立っているところが豊かだと思います。

あと、声を大にして言いたい今回の私の収穫は、これまで耳にタコができる程に聞き学んできた至極オーソドックスな表現手法の数々や舞踏の思想がいかに普遍的であるか、どれだけパワフルであるかということを身をもって知れたことです。お前今更かよって頭をはたかれそうですが、それらの知恵を私に授けて下さった諸先輩方には感謝の念が絶えません。先人はすごいです。

「トン チン カカン」は芋虫の踊り。
地味で些細だが確かに胎動している。