2014年7月16日水曜日

愛と欲望


「踊りたい!踊りたいんだ!」

というような作品です。と説明すると、爽やかで若い、勢いで押していくダンスを思い浮かべるかもしれませんが今回のまさおか式は少しそれとは違います。

私もドラマトゥルクもダンサーもそれ程若くないし、激動の20代を経つつそれぞれの距離感でダンスと付き合っています。理想と諦めを行ったり来たりして、踊ろうという意志を見つけられないときもありました。私はダンスを愛しているけれど、それは親への愛のようにこっ恥ずかしくこんがらがって中々素直になれなかったのです。敢えてストレートに「踊りたい」と告白することがどれだけ勇気のいることか。

この国において踊る歓びは背徳感を含み始め、「踊りたい」という欲望の意味は変化していっているのかもしれません。だからこそ、そのことについてしっかり問いかけたいと思っています。

私たちは自分の闇を背負いながら純粋な愛を語ろうとしています。愛と憎しみは表裏一体なのです。その孤独や絶望を受け入れて初めて愛に近づける気がしています。


政岡